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久留米で出会った、“提案型の酒屋”という場所

普段、酒屋についてブログを書くことはほとんどない。
でも、この店だけはどうしても残しておきたくなった。

久留米市役所から歩いて数分。
散歩の途中、何気なく目に入った一軒の酒屋に、ふと足が止まった。

「……角打ち?」

そう思って近づいたのが、141酒店との最初の出会いだった。


懐かしくて、少し切ない「角打ち」の記憶

私の世代にとって、角打ちはごく身近な存在だった。
昔の酒屋といえば、店の片隅で立ち飲みができるのが当たり前。
実を言うと、私の実家でも角打ちをやっていた。

当時の角打ちは、今のように洒落たものではない。
近所の常連が、安い酒を一杯引っかけて帰る場所。
日本酒は松竹梅や月桂冠、大関。
ビールはキリン、アサヒ、サッポロの大瓶。

サッポロビールの味を口にすると、
小学生のころ、角打ちの手伝いをしていた記憶が、今でもふっと蘇る。


141酒店の角打ちは、まったく別物だった

話を戻そう。
141酒店の角打ちは、私の記憶にあるそれとは、まるで違っていた。

一言で言えば――
**「ワインの角打ち」**だ。

ただの試飲会ではない。
かといって、気取ったワインバーでもない。

飲食店向けの業者試飲会のような堅さもなく、
「ワインを勉強しましょう」という空気もない。

あるのは、
一口飲んで「うまい」と思えるかどうか、ただそれだけ。

銘柄も産地も、正直なところ覚えていない。
でも、それでいい。
なぜなら、スタッフが選ぶワインに外れがないからだ。


気軽なのに、ちゃんと“深い”

「この赤、ヨダレが出るくらいうまいですね」
そう言うと、スタッフが少し誇らしげにうなずく。

そのやりとりが心地いい。
気軽なのに、雑ではない。
地元に根ざしているのに、どこか国際的。

これはもう、単なる酒屋ではない。
**“提案型の酒屋”**という言葉が、しっくりくる。


店主・石井さんという存在

この空気を作っているのは、やはり店主の石井さんだ。

以前はワインのインポート業界で働いていたそうで、
話していると、営業マンとしての勘の良さが随所に感じられる。

何気ない会話の中で、「うちは“かくうち”なんですよ」と、さらりと口にする。
こちらの反応を見ながら、距離を詰めるタイミングを測っているのだろう。

こういうところに、
“できる営業マン”の血が流れているのが見える。


人が集まる理由が、ちゃんとある

昼の酒屋と夜の角打ちを合わせると、スタッフは総勢15人ほど。
それだけいれば、自然と個性も立ってくる。

ソムリエのスタッフ。
開店当初から支えるベテラン。
医大生のアルバイト。
なぜかスタバが似合いそうな若者。

誰が主役というわけでもなく、
その混ざり具合が、この店の居心地の良さにつながっている。


ひとりで飲む夜に、ちょうどいい場所

もし、近くに住んでいるなら。
ひとりで過ごす夜が、少し長く感じるなら。

勇気を出して、141酒店の角打ちをのぞいてみてほしい。

最初は入りづらいかもしれない。
でも心配はいらない。

店内をさりげなく見渡している石井さんか、
気さくなスタッフが、きっと声をかけてくれる。

そんな酒屋が、久留米にはある。

※この記事は、実際に訪問した体験をもとに、
Googleマップでは書ききれなかった内容をブログ用に再構成したものです。

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