堕天使のこころ|堕天使のセカンドライフ
カパエマフの石とワイキキの奇跡
1999年のワイキキ。
キングスビレッジの山側――目立たない一角に、ひとつのドアが開いた。
それが、ハワイ初のキャバクラ「くらぶなかせ」だった。
当時のハワイには、キャバクラ文化など影も形もなかった。
夜の店といえば、50代のおばちゃんが切り盛りする、昭和のスナックを彷彿させるような場末のホステスバーが軒を連ねるだけだった。
若い日本人女性が働ける場所なんて皆無に等しかった。
グリーンカード(永住権)を持たなければ接客すら許されない――つまり、若く独身の女性が夜の街で働くなんて、夢のまた夢だったのだ。
日本ではキャバクラ全盛だったこの時代。
「この空白地帯に、東京の夜を持ち込めば…」
そう思って始めたのが「くらぶなかせ」だった。
だが、理想と現実は違う。
就労許可を持つ女性を探すのは困難を極めた。
オープン直後はまったく客が入らず、呼び込みのために毎晩カラカウア通りに立った。
観光客に無視され、ローカルに冷たくされ、悔しい思いを何度もした。
カパエマフの石
そんなある晩、私はワイキキビーチ沿いの石に腰を下ろし、ただ空を見ていた。
潮風を感じながら、心の中で願った。
「頼む、なんとか、この店がうまくいきますように」と。
20年近く経ってから知ったのだが、
その時に腰かけていたのが**「カパエマフの石」**だった。
タヒチから来た4人のヒーラーが、自らの霊力を封じ込めたという神聖な石。
病を癒し、人を導くとされる、ワイキキの“隠れた聖地”。
まさか自分がその上に座って、夜な夜な願いをかけていたとは…。

運気が上昇するのを感じた
それからだった。
ハワイ・ワイキキのキャバクラ「くらぶなかせ」は、まるで魔法にかけられたように繁盛し始めた。
口コミが口コミを呼び、やがて芸能人たちが訪れるようになり、
「ハワイに来たら、必ず顔を出すべき場所」とまで言われるようになった。
かつてワイキキにあった3軒のホステスバーは、
気づけば“くらぶなかせ”に飲み込まれる形で、その姿を消していた。
その後、私はハワイで初となるホストクラブを立ち上げ、
銀座、六本木にも出店。日本とハワイ、ふたつの夜の街で商売の花を咲かせた。
すべては、あの夜――
カパエマフの石に腰をかけて、「ハワイで成功したい」と静かに願った、あの瞬間から始まったのだ。
ビジネスで成功するために必要なのは、戦略や努力、タイミングだけじゃない。
ほんの少しでも「信じる心」を持つこと。
それが時に、奇跡のような繁盛を呼び込む力になると、私は本気で思っている。
今でもあの石のひんやりとした感触を、足の裏が覚えている。
もし、あなたが今、人生に迷っているのなら――
**ワイキキ警察署のすぐそばにある「カパエマフの石」**に、そっと腰かけてみてほしい。
それは単なる石ではなく、ハワイのスピリチュアルスポットとして語り継がれる聖地。
南国の星空の下で、静かに願いをかけてみるのだ。
ハワイの夜風が、あなたの未来をそっと動かし始めるかもしれない。
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