
日本人女性のハワイ婚活は、移住のための手段だった。
10年前のハワイ。
私はまだクラブをいくつか経営していて、観光シーズンには1日500ドル以上稼ぐホステスたちの笑顔と、シーズンオフに店が閑古鳥になる不安とを、交互に見ていました。
当時、ハワイだけでなく、ロサンゼルスやニューヨークでも「アメリカに残りたい日本人女性」は数多く存在していました。
観光ビザや学生ビザが切れても、なぜか皆どこかに“住んでいる”──そんな空気が当たり前のように漂っていたのです。
私は仕事柄、ロスやNYの同業者とつながりがあり、ホステスを探して西海岸まで足を延ばすこともありました。
たとえば、ロサンゼルスのトーランス。当時はトヨタ自動車の拠点があり、日本人出張族が多く住んでいて、ホステスバーも5〜6軒が元気に営業していました。
ロサンゼルスで働く日本人女性たちは、少し違う。
彼女たちは“婚活”というより、“移住”が目的なんです。
「もう日本には帰らない」
「このままアメリカ人になりたい」
──そんな願望を胸に、ビザが切れて5年も6年も、じっと身を潜めて暮らしている。
一方、ハワイのホステスバーは「波のある世界」。
観光シーズンは観光客もお金を落とすから日給500ドルなんてざら。
でも、シーズンが終わると日給ゼロの日もある。
対して、ロサンゼルスは安定はしてるけど、時給10ドル前後で、月2000〜3000ドルくらいが限度。
そんな彼女たちの婚活ターゲットには、はっきりとした「人気ランキング」がありました。
1位:アメリカ軍人(結婚すればグリーンカードがスムーズ)
2位:日本文化が好きな白人男性(いわゆる“日本オタク”)
3位:現地で自営業をしている日本人男性(お金があれば、という条件付き)
今考えると、昔のハワイ婚活って、**“玉の輿”じゃなくて“合法の椅子取りゲーム”**みたいなものでした。
彼女たちは、恋よりも「住む権利」を求めていたのかもしれません。
でも──
そんな彼女たちが最後に選んだのは、必ずしも“条件のいい相手”ではなかった。
本音で笑ってくれる人。
日本語が通じなくても、気持ちが伝わる人。
ビザのことも、稼ぎのことも置いておいて、
「一緒にいたい」と思える人──
それがアメリカ婚活の“リアル”な答えだった気がします。
そして私も、そんな彼女たちに、何度か…いや、何度も、
「パパ、私と結婚しない?」って言われたクチです(笑)
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