
昔、「南国」といえば、誰もが思い浮かべたのはハワイだった。
青い空、ヤシの木、フラダンス、アロハ〜なんて笑いながら、
ビーチ沿いでカクテル片手に夢を見ていたあの時代。
でも、もう目を覚ます時だ。
今も「南国=ハワイ」なんて信じているのは、
農協ツアーのパンフレットに心ときめく昭和のおじさん・おばさんくらいだろう。
そんな彼らを横目に、賢い大人たちは静かに旅先を変え始めている。
──「ネクストハワイ」へ。
ハワイという幻想の終焉
5年ほど前までは、
夏休みに行きたい海外旅行先ランキングでハワイは不動の1位だった。
でも2025年現在、TOP20にすら入っていない。
理由は明白だ。
観光局の方向性の迷走。
ローカルの慢心。
観光地としての自覚の欠如。
ハワイにはおもてなしなんて言葉は存在しない
そして何より、観光客を歓迎する心が消えてしまった。
ホテルは古くて臭いのに1泊10万円超。
サービス精神はゼロ、チップは当然、税金も観光客料金も上乗せ。
気づけば、
ハワイは「非日常」ではなく、「異常な日常」になっていた。
ネクストハワイは──パラオとニューカレドニア
では、「次」に選ばれている場所はどこか?
答えはシンプル。パラオとニューカレドニアだ。
どちらも日本からアクセス可能で、治安が良く、親日国。
海の透明度はハワイの比ではなく、観光客でゴミゴミもしていない。
そして何より──静かで上質な時間が流れている。
パラオはかつて日本統治時代の名残があり、街には「居酒屋○○」なんて看板もある。
ニューカレドニアは「天国に一番近い島」と呼ばれ、その名に偽りはない。
ハネムーンに人気だったその島を、今こそ大人たちが見直している。
ネクストハワイ「卒ハワイ」という美学
私はこう思う。
ネクストハワイとは、
「ハワイを卒業する」ことが、大人としての知性の証だ。
昔、ハワイに憧れた気持ちは否定しない。
私だって20年前に来たときは、夢を見ていた。
でも、今のハワイに夢はない。
現地に20年以上住んでいる私が言うのだから、間違いない。
もうここは「楽園」ではなく、「課金地獄」だ。
観光客は財布にしか見られていない。
笑顔の奥にあるのは、札束の皮算用だけ。
ハワイに住む私が言うんだから、説得力がある?
──と思うかもしれない。
でもね、私が好きだったハワイはもう存在しない・
昔好きだった恋人が、堕ちていく姿を見ているような気分なんだ。
そして、いま私の目は──
パラオの夕陽と、ニューカレドニアの珊瑚礁に向いている。
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