にしてつ久留米駅から徒歩3分。
駅前のざわめきを背に暖簾をくぐると、そこには静謐な別世界が広がっていた。
磨かれた廊下に、老舗らしい落ち着いた空気。
豆腐料理が看板と聞いていたが、
香りと器の趣きだけで「ここに来て正解」と思わせる。
お運びさんの所作も一見すると慣れたもの。
けれど実際には「はい、次どうぞ」といったテンポの早さが目立ち、昼のコースは少し慌ただしい。
まるで時間に追われる舞台の一幕を見ているようで、
くつろぎに来たはずの身としては落ち着かない。
肝心の料理は、不味くはない。
けれど驚きや新しさもない。
職人のこだわりというより、
決められた手順を忠実にこなしているような印象で、
「うまい!」と舌鼓を打つ瞬間は訪れなかった。
もちろん、高級店らしく器や雰囲気は立派だ。
ただ、その立派さがどこか“上から目線”に感じられるのも否めない。
総じて言えば、「申し分はない。でも感動もない」
接待で外国のお客を久留米に案内するなら最適だろう。
だが、日本人同士で足を運ぶなら…
正直、畳の座敷で肩を並べるには、
少しばかり時代遅れかもしれない。


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