10年前、私はダイヤモンドヘッドツアーをメインにガイドしていた。
当時のダイヤモンドヘッドは、
今ほど観光客向けに整備されていなかった。
トンネルはいまより長く、
懐中電灯が必要なほど暗かった。
足元も今ほど整っていない。
階段も譲り合わないと登れないほど狭かった。
標高232メートル。
片道約1km。
登りはゆっくり歩いて約30〜40分。
写真を撮りながらなら1時間弱。
数字だけ見ればたいしたことはない。
だが、毎日登れば話は別だ。
それでも当時は、
ひとりひとりのペースに合わせ、
ゆっくり案内できた。
やがて観光客が増え、
ハワイのランドマーク的存在になった。
ゆっくりガイドする山ではなくなった。
私は登るのをやめた。
今はネットからの完全予約制。
個人で簡単に完結できる。
旅行会社やガイドに手数料を払う必要もない。
朝6時開門だが、
午前中はツアーが集中する。
混み合えば頂上は渋滞だ。
1〜4月の狙い目は、
夕方。15〜16時予約がベスト。
涼しく、空いている。
売店とトイレは登山口のみ。
水は一人1本。
「新婚旅行だから仲良く1本で」
頂上で、だいたい静かな小競り合いが始まる。
最初は緩やかなスロープ、
徐々に勾配がキツくなり。
最後は約200段の階段がまっている。
思っている以上にしっかりした山登りだ。
ぜひ、足元はちゃんとしたスニーカーで。
そして頂上。
ワイキキを一望。
達成感が景色を三割増しにする。
「絶景だ!」
多くの人がそう言う。
記念撮影も終えて
帰り道は、同じ道を下る。
登りより短く感じるが、
捻挫や骨折などの怪我の大半は、
下山時に起こる。
最後まで気を抜かないこと。
ワイキキへ戻るなら、ウーバー一択。
ホテルに戻り、
シャワーを浴び、
ラナイの椅子に、そっと腰を下ろす。
ほどよい疲労感を
ハワイの風がすり抜ける。
その瞬間に気づく。
ダイヤモンドヘッドの本当の絶景は、
頂上ではない。
ラナイで感じる、
ハワイの風だ。


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